歯科用貴金属というのは、大きく分類すると貴金属と非貴金属の合金に分かれます。

貴金属の合金は、金がベースの金合金と銀がベースの銀合金ですが、保険が適用されるのは銀合金のみです。

貴金属の合金は、ほとんど口腔内で使われますが、体に埋め込む際にはあまり使われません。

銀合金の品質は、良いものと若干劣るものがあります。

良い品質のものは、最低でも金を12%含んでいることが義務付けられており、最も保険が適用される一般的な合金です。また、金を全然含んでいない銀合金もあり、乳歯の修復用や表面に出ないような補強に使われています。

一方、一般に非貴金属の合金は貴金属の合金に比べて、比重が小さい、融点が高い、耐食性が悪いというような性質があります。

代表的な非貴金属の合金は、コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金、チタンですが、ニッケルクロム合金だけが保険が適用されます

しかし、最近では、ニッケルが生体に及ぼす害が問題になっており、使うのを控えるようになっているようです。

コバルトクロム合金は、硬くて変形しにくいので、鋳造の義歯床として使用されています。

チタンは、インプラント材料として一般的に使用されています。チタンは、融点が非常に高いために技工作業が困難ということがあります。

しかし、これからの歯科用金属としては最も期待できます。